夏の天体観望2013年08月05日 14:30

夏になり、大陸からのPM2.5の影響も随分少なくなりました。北九州の夜空も・・・おっと言い忘れていました。以前、パチンコ屋やスペースワールドといった遊戯施設からのサーチライトに悩まされ北九州市の環境保全課に相談した件を書いていましたが、あの後、暫くして両施設ともサーチライトの使用を停止し、以降2ヶ月以上も、いまいましい光条を目にする事はなくなっています。例の光害対策ガイドラインに沿って市が動いてくれたのであれば本当に嬉しいのですが・・・。
どうか、このまま馬鹿げた客集めがなくなりますように。節電にもなりますし・・・と、言う事で北九州の夏空観望の季節になりました。7月初旬は晴天が続き、月もなくSQメーターで測定して18.8前後と北九州としてはまずまずの値を示す日が続きました。

さっそく25Cmのドブソニアン望遠鏡をデッキに持ち出して観望を始めました。

何と言っても夏の天体観望は天の川近辺の球状星団や散光星雲が中心になるのですが、我が家から夜空が開けているのは北北東~南南東の範囲で、残念ながら南の空低く広がる「さそり座」や「いて座」に望遠鏡を向ける事ができません。又、他の季節とは異なり夏空は我々の銀河の中心方向を仰ぎ観る事になりますので、銀河の濃い物質に邪魔されて私が観たい系外銀河は殆ど見えません。又、北九州の空では白鳥座周辺の淡い散光星雲の類は望むべくもありません。
従って、我が家での観望対象は毎年大体同じようなもので、下の写真にある「ヘルクレス座の球状星団M13(左)」と「こと座の惑星状星雲M57(右)」を眺めて、おしまい。SQ値18前後の北九州の空で、私の25Cm鏡で実際に観たイメージは、これらの写真より若干明るさコントラストともに落ちますが、ほぼ、このように観えます。
これらは、ともに我々の銀河系の中にある天体です。後者のM57は、その形状からリング状星雲とかドーナツ星雲などとも呼ばれますが、一生を終えた中規模の恒星が吹き飛ばしたガスが広がってゆきつつある様子です。写真などでは中心に白色矮星となった星の残骸が写っていますが、私は望遠鏡を通して実際に見た事はありません。私たちの太陽もあと50億年もすれば、膨張して地球などの惑星を飲み込み、最期には爆発的にガスを吹き飛ばして死んでゆきます。このドーナツ状の星雲は、我々の太陽系の50億年後の姿とも言えます。
            球状星団M13       惑星状星雲M57

一方の球状星団M13は、数十万個の年老いた星がボール状にびっしり密集したものであり、個々の星は宇宙そのものの年齢に近い130億歳前後と言われていますが、その成因は現在でも謎とされています。私たちの太陽系を含め、恒星や星雲・星団の殆どは銀河系の円盤状のディスクと呼ばれる薄い部分にひしめき合っています。家の中の人には、自分が居る家の外形は見えないように、私たちは銀河の全体の姿を見る事ができません。
しかし、下図にあるように球状星団は何故かディスクから遠く離れた空間にあります。
                                      私たちの銀河を横から見た図

従って、もし、これらの球状星団に惑星を伴う星があったなら・・・、その惑星からの夜空は下の写真にあるように銀河のディスクが空いっぱいに広がる物凄い景色になっているはずです。そして、その反対側は同じ球状星団の年老いた星々を通して遠くM31(アンドロメダ銀河)をはじめとする系外銀河が点々と浮かんでいるのを観る事でしょう。
嘆いても仕方の無い事でしょうが、銀河ディスクの中にひしめく星々の一つである太陽系なんかではなく、球状星団のように、この銀河を見下ろす位置に地球があったなら・・・、恐らく人類は全く異なった哲学の下で進化した事でしょう。もし生まれ変わる事ができるなら、願わくは、どこかの球状星団の惑星の住人になり、夜な夜なこの見事な景観を愉しみたいものだと思います。
                   球状星団人の夜景

球状星団は、数十万個の恒星が互いに重力で引き合う複雑な体系ですので、惑星が安定した軌道を持ち得るのかシロウトの私には判りませんが、球状星団を望遠鏡の視野に捕らえながら、思わず「そこからの景色は、どうかね・・・?」と問い掛ける事があります。
さて、我が家の望遠鏡は英国製の25Cm鏡ですが、昨年から香港製の40cm鏡が加わりました。この望遠鏡は大口径ながら簡単に分解出来て、我が家の車のさほど広くはないトランクにも簡単に収まります。北九州を離れて良い(暗い)空の下で、夏~秋の星を大いに愉しみたい。球状星団人の夜景には、到底かないませんが・・・。
              16インチ(40cm)ドブソニアン望遠鏡

原発の輸出について2013年08月05日 16:17

3.11後、しばらくの間は、おとなしかった村民たちが、又、騒々しくなってきました。・・・勿論、原子力ムラの話です。村民たちを喜ばせ勢いづかせている現自民党政権の原発政策では、①再稼動を急ぐ ②原発を輸出する の2つが際立って目立ちます。一定量の高純度プルトニウムの備蓄といった高速増殖炉がらみの軍事的な思惑も引き続き注視する必要があります。

福島第一の事故原因の解明は進まず。又、同原発からは現在も1時間に1000万ベクレルの放射性粉塵が環境に撒き散らされ、1日に400トンの汚染水を海に垂れ流し続けており、(何れも東電発表値であり、本当の数値は・・・?)何時になったら収束するのか誰にも判らない有様です。汚染地域の除染は進まず、復興予算は被災者に無縁の事業に勝手に流用されてしまう。
更に、核のゴミを数万年にわたって安全に冷却するという最終処分の方法も、土地の選定以前に、技術的・経済的に成立し得るのか全く目処が立っていない状態です。

こんな有様で再稼動をうんぬんする学者や官僚、産業界トップの神経は、理解できないと言うより殆ど病的なのではないかと思われます。或いは、児戯のレベルの発想と疑うべきなのかも知れません。思い出すのは、かつて、民主党政権時代にスーパーコンピューターの予算を削られそうになった学者が、「予算を削減された場合に生ずる科学的な損失の責任を誰がとるのか」と玩具をねだる子供のように吠えていましたが、この学者は予算が削減されなかった場合に生ずる社会的損失に責任をとれるとでも思っているのでしょうか?

さて、かつて民主党政権時代の管直人が原発の輸出を成長戦略の一つとして謳った時は耳を疑いました。市川房枝さんが聞いたら、きっと怒髪天を衝く形相でこの不肖の弟子をなじった事でしょう。当然、自民党政権も大喜びでこの方針を踏襲する事になります。

ベトナムやトルコなどへの輸出が計画され、政府をあげて関連企業の後押しをしているようですが、契約内容の詳細は国民に知らされていません。

私が、特に心配しているのは、「使用済み核燃料(核のゴミ)は日本が引受けます」といった最終処分についての約束条項が契約書に盛り込まれようとしているのではないか、という点です。

大量の核兵器を保有するロシアは原発の輸出に際して、このような契約を交わしていると聞きますが、かの国の核兵器への転用を前提とした政策なのでしょうか。

日本では国内の原発から出る使用済み燃料の最終処分の目処も立たないのに原発輸出先から核のゴミが続々と帰ってくる・・・想像するだけでぞっとします。

原発輸出に加担する者達が市民の道義的・倫理的な意見に耳を傾けてくれる輩では無い事は重々承知していますが、最終的に国民が背負うリスクまで考えれば、経済的にも成り立ち難い事を知って欲しいと思います。

 ※つい最近も米国サンオノフレ原発に納入した蒸気発生器のトラブルで三菱重工が提訴
   されており、最終的には同原発の廃炉費用を負担させられる事になるだろうと言われ  
   ています。